2021年度 大阪府公立高校入試 英語の単語を、2020年度までの過去問データで検証する
2021年度の単語、3つのポイント
- S段階だけで約6割。3つの問題とも、例年より読みやすかった最優先のS段階(A問題171語、B問題169語、C問題199語)で、A 60%・B 59%・C 64%の語が読めました。2017年度以降で、3つの問題ともいちばん高い割合です。
- S〜C段階まで覚えると、約9割が読めたS〜C段階(A問題662語、B問題726語、C問題757語)では、A 89%・B 92%・C 92%。B問題とC問題は、例年より5ポイント以上高い年でした。
- 残った1割は「基本語」と「その年の話題の語」baby・milk・tired のような基本語は、それまでの過去問に出た回数が少なく、リストの下のほうにありました。costume・tour・glory のような話題の語は、前もって覚えるのが難しい語です。
2020年度までのリストで、どこまで読めたか
2020年度までの過去問(2013年度から)だけを使って、A・B・C問題ごとに優先して覚える語のリストを作りました。何年にもわたって出ている語ほど上位になる作り方です。上位から順に、それまでの試験の語の7割を読める範囲をS段階、8割をA段階、9割をB段階、97%をC段階としています。
このリストで2021年度の試験を読むと、次のようになりました。
| 覚えた範囲 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| S段階まで | 60% 171語 | 59% 169語 | 64% 199語 |
| S〜A段階 | 67% 237語 | 68% 266語 | 75% 302語 |
| S〜B段階 | 78% 395語 | 82% 442語 | 85% 500語 |
| S〜C段階 | 89% 662語 | 92% 726語 | 92% 757語 |
機能語(the, of など)、固有名詞、その試験で語注が付いた語は数えていません。小さな数字は、その範囲の語数です。
S段階の約200語で約6割、S〜C段階の700語前後で約9割です。覚える語を約4倍に増やしても、増える割合は3割ほど。リストの上位ほど効率がよいことが分かります。
2021年度は「リストで準備した人が読みやすい年」
同じ作り方で、2017〜2020年度の各年も「その前年までのリスト」で読んでみました。2021年度と並べると、次のとおりです。
| 年度 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| 2017年度 | 51% | 57% | 51% |
| 2018年度 | 57% | 57% | 54% |
| 2019年度 | 59% | 56% | 55% |
| 2020年度 | 58% | 57% | 61% |
| 2021年度 | 60% | 59% | 64% |
| 年度 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| 2017年度 | 83% | 77% | 75% |
| 2018年度 | 90% | 85% | 88% |
| 2019年度 | 93% | 90% | 89% |
| 2020年度 | 92% | 89% | 88% |
| 2021年度 | 89% | 92% | 92% |
S段階で読めた割合は、3つの問題とも2017年度以降でいちばん高くなりました(A +4ポイント・B +2ポイント・C +8ポイント、例年の平均との差)。S〜C段階でも、B問題(92%)とC問題(92%)は2017年度以降でいちばん高い割合です。A問題のS〜C段階(89%)は例年並みでした。
年によって数ポイントの上下はありますが、リストのS〜C段階で8〜9割を読める状態は、毎年ほぼ変わりません。
リストになかった語は、2種類
S〜C段階に入っていなかった語は、C問題で55種類(試験に出た365種類のうち)ありました。例をあげます。
- baby
- black
- milk
- tired
- expensive
- party
- costume
- tour
- eco-tour
- glory
- racket
1つは baby・black・milk・tired・expensive のような基本語です。それまでの過去問に出た回数が少なかったため、リストでは700〜1,300位あたり(C段階より下)にありました。どれも中学校で習う語です。
もう1つは costume・tour・glory のような、その年の話題の語です。1つの文章の中で何度も出てくるので、延べ語数では目立ちます。C問題には、2020年度までの過去問に一度も出ていない語が29種類ありました。
基本語は、過去問の回数だけでは拾いきれません。リストの上位を覚えるのと並行して、教科書の基本語を落とさないことが大切です。話題の語は前もって覚えにくいので、文脈から意味をつかむ練習が効きます。
語の種類で数えると、S段階は半分以下
ここまでの割合は延べ語数(同じ語が3回出たら3と数える)でした。語の種類(何回出ても1と数える)で数えると、数字が変わります。
| 覚えた範囲 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| S段階まで | 46% 延べ 60% | 41% 延べ 59% | 42% 延べ 64% |
| S〜A段階 | 57% 延べ 67% | 55% 延べ 68% | 57% 延べ 75% |
| S〜B段階 | 72% 延べ 78% | 72% 延べ 82% | 74% 延べ 85% |
| S〜C段階 | 88% 延べ 89% | 90% 延べ 92% | 85% 延べ 92% |
| 試験に出た語の種類 | 254種類 | 282種類 | 365種類 |
S段階で読める語の種類は、どの問題も半分以下(A 46%・B 41%・C 42%)です。それでも延べ語数で6割読めるのは、S段階の語が1つの試験の中で何度も出てくるからです。逆に、S段階に入らない語の多くは、1回しか出てきません。
S〜C段階まで覚えると、語の種類でも8〜9割(A 88%・B 90%・C 85%)に届きます。知らない語が文に1つもない状態に近づけるには、S段階だけでは足りず、C段階まで進むことが必要です。
2022年度の受験生へ
2021年度の結果から言えることは3つです。
1. まずS段階(約200語)。これだけで試験の語の約6割になります。
2. 次にC段階まで(700語前後)。延べ語数で約9割、語の種類でも8〜9割に届きます。
3. 残る1割のうち、基本語は教科書で落とさない。話題の語は、文脈から読む練習でカバーする。
過去問から作ったリストで準備できるのは、約9割まで。残りの1割は、基本語の取りこぼしを防ぐことと、知らない語を文脈で読む力で埋めます。
数字の条件
データは、大阪府公立高校入試(英語)の過去問を文字に起こしたものです。2021年度は一般入学者選抜の英語A・B・C問題とリスニングを対象にしました。リストは2013〜2020年度の一般・特別・前期・後期入学者選抜(英語・リスニング)から作っています。数える語は、本文・リスニング台本・英語の設問と選択肢に出てくる語で、機能語・固有名詞・その試験で語注が付いた語は除きます(2語以上の語注は、語としては数えています)。語の変化形(-ing・-ed など)は元の形にまとめています。リストの作り方(重みづけの値)は2026年に決めたもので、その値を選ぶときに2020〜2023年度のデータを使いました。そのため、2021年度の検証は完全に独立した検証ではありません。分析と文章の作成にはAIを使っています。大阪府および大阪府教育委員会とは関係のない、個人による分析です。